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コラム「成功転職2010」第3回
2008年11月27日
人間力経営総合研究所 所長 二瓶正之

Uターン転職のススメ

今回はUターン転職について取り上げてみたいと 思います。Uターン転職とは、地方出身の人が東京や大阪など大都市の大学を卒業して、そのまま大都市に 本社機能を持つ会社に就職した後、生まれ育ったふるさとに拠点を置く企業に転職することを言います。 転職を今考えている方々の選択肢の一つとして、このUターン転職も視野に入れてもいいのではないかと 思います。今回は、この点からお話をします。

少し、難しい話をします。皆さんも ご存じのとおり、今、日本は国の運営の仕方をめぐって、いろいろな問題を抱えています。 なかでも官僚主義に基づく中央集権的な国家運営のやり方はほぼ限界に来ています。明治維新 以来のこの中央集権国家体制は、東京への一極集中を生みだす一方、地方の活力を中央に吸い 上げてしまうストロー効果を招く結果となっています。人も物も金も情報もすべて東京に集めら れ、逆に地方には何もかもがなくなっていくような流れになっています。このままの状態が続け ば、20年後には、日本の人口の50パーセント以上が首都圏に集まってしまうという異常事態 が間違いなく出現することになり、地方自治体のほとんどが財政的に破たんしてしまうことが予想されます。

このような危機的な状況を打開 するための最良の方法が「道州制」の導入であると言われています。国もようやくこの問題に 本気で取り組み始め、道州制担当大臣の設置という具体的な動きも出始めています。「道州制」とは、 47の都道府県制を12の道州に統合し、下部組織としての市町村を今の1800から300 の基礎自治体に統合した上で、中央の権限の多くを道州や基礎自治体に移管し各地域の主権 を認めることで、地方からの国家運営の再構築を目指す考え方です。識者のほとんどが、現 状打開の選択肢としては、この「道州制」の導入しかないという意見で一致しています。

そのようなことから、恐らく 10年前後のタイムスパンの後、この「道州制」の導入が具体化してくるだろうと思われます。 つまり、本当の意味での「地方の時代」が10年前後先にやってくるということです。ただし 、その大前提として、その「道州制」に生命を与える有為な「人材」の地方への「Uターン流 入」がなければなりません。この点から、皆さんに「Uターン転職」を提案したいのです。

かつて、江戸時代末期に、長く 続いた幕藩体制の枠を飛び越え、坂本竜馬を始め多くの若者たちが、日本を「せんたく」しよう という高い理想に燃え、やがて明治維新という世界でも例を見ない「国家の再構築」を実現 させました。今度は平成の時代を生きる若い皆さん方が、日本を地方から再構築するために立 ち上がることは、単に一人の立身出世のレベルではなく、国を変えるという壮大なロマンがそ こにあります。東京からあえて生まれ育った故郷に帰り、地元の企業を盛りたてながら地方の時 代の担い手となるべく、道州制の導入に備えるという生き方も素晴らしいのではないかと申し上 げたいのです。一度、Uターン転職について、考えてみるのもよいのではないでしょうか。

このコラムにご意見・ご感想をお寄せください。ではまた。

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著者プロフィール
人間力経営総合研究所 所長 二瓶正之
二瓶正之(にへい まさゆき)
1953年生まれ。新潟県出身。明治大学大学院経営学研究科博士課程修了後、短大講師を経て、日本能率協会でエネルギー 関連企業の組織診断調査とコンサルティングに携わった後、研修プログラム開発と雑誌『人材教育』創刊に関わる。その後、 ㈱日経リサーチに転じ、組織診断調査およびコンサルティングに従事。1997年に大手アミューズメント企業にスカウトされ、 能力開発担当マネジャー・営業部長代行・採用担当マネジャー・関連会社教育事業部長を歴任した後、 2007年㈱新東通信のシンクタンク部門として人間力経営総合研究所が設立されると共に、所長に就任。 著書に『経営戦略の実現と戦略マインドの醸成』(日本能率協会)、『経営行動科学辞典』(創成社)、『賢者180名命の言葉』(徳間書店)がある。
人間力経営総合研究所
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