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コラム「成功転職2010」第6回
2009年1月7日
人間力経営総合研究所 所長 二瓶正之

退職のベストタイミング

今回は転職に際しての「退職の時期」に ついて取り上げたいと思います。つまり、転職先を決めてから退職するのか、 退職してから転職先を決めるのかという話です。生活の基盤に不安を感じることなく 転職活動ができるという意味では在職中に転職先を決めてから退職する方が良いと言えますし、 あえて退路を絶つことで胎を決めて転職活動に臨めるという意味では、 正式に退職してからじっくりと時間をかけて転職活動に入る方が良いとも言えます。 いろいろな考え方があるとは思いますが、総合的に判断すれば、やはり、転職先を決めた後に 退職するという選択の方が「今」は圧倒的にメリットが大きいと言えるでしょう。

なぜ、そう言えるかの話に入る前に、転職に よってステップアップする人とステップダウンする人の差はどこから生まれてくるのかということについて 触れておきたいと思います。ポイントは大きく四つあります。

まず、第一に「年齢」です。例えば、 30歳代での転職と50歳代での転職では、30歳代の転職の方がステップアップの確率が 高いと言えるでしょう。ただし、若くとも転職前の会社の勤務年数があまりにも短いとマイナス評価に なってしまい、ステップアップの転職は難しいでしょう。「石の上にも3年」は真実です。

第二には「キャリアの市場価値」です。本人が これまでのキャリアで身につけたスキル・知識・経験がどの程度の価値を持っているかということです。 市場価値の高いキャリアを持つ人は、やはり転職後にステップアップする確率が高いと言えます。

第三は、「経済状況」です。経済全体が 活力にあふれ、各企業が右肩上がりに成長を続けていれば、転職市場も活気にあふれ転職先の選択肢もひろがり、 転職後のステップアップの可能性も高まります。逆に、現在のような100年に一度と言われる経済危機の時には、 選択肢の幅が狭まり、転職が難しくなり、ステップアップはかなり困難になるでしょう。

そして、最後の、四つ目のポイントは、「自己認知能力」です。 自身のことをどれだけ客観的に理解しているかということです。前回のコラムで触れた「WANT」「CAN」「MUST」に ついての自己分析ができているかどうかということです。やはり、自己認知能力の高い人は転職後に ステップアップする可能性が高いと言えます。

少し説明が長くなりましたが、本題に 戻りましょう。なぜ、「今」は、転職先を決めてから退職すべきなのかと言えば、現在の「経済状況」が その一番の理由です。この厳しい経済危機の中で、退職した後に転職先を探すのはあまりにも無謀です。 十分すぎるくらいの貯えがあれば別ですが、やはり、「保険」という意味でも在職中の職探しが望ましいと言えます。 精神衛生上も経済基盤に不安を感じることなく転職活動を行う方が間違いなく良い結果につながるはずです。 こういう時は、「じっくり」と自己と向き合いながら時間をかけて転職に臨むべきでしょう。

今回のコラムについてご意見・ご感想をお寄せください。ではまた。

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著者プロフィール
人間力経営総合研究所 所長 二瓶正之
二瓶正之(にへい まさゆき)
1953年生まれ。新潟県出身。明治大学大学院経営学研究科博士課程修了後、短大講師を経て、日本能率協会でエネルギー 関連企業の組織診断調査とコンサルティングに携わった後、研修プログラム開発と雑誌『人材教育』創刊に関わる。その後、 ㈱日経リサーチに転じ、組織診断調査およびコンサルティングに従事。1997年に大手アミューズメント企業にスカウトされ、 能力開発担当マネジャー・営業部長代行・採用担当マネジャー・関連会社教育事業部長を歴任した後、 2007年㈱新東通信のシンクタンク部門として人間力経営総合研究所が設立されると共に、所長に就任。 著書に『経営戦略の実現と戦略マインドの醸成』(日本能率協会)、『経営行動科学辞典』(創成社)、『賢者180名命の言葉』(徳間書店)がある。
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