しくじらないための就活

面接官から少しでも多く学ぼうという姿勢が合否に左右するよ

高田 晃一2019年03月26日07時30分

ティナ・シーリグ著の「20歳のときに知っておきたかったこと」から引用です。

お読みくださいませ。

「対人相互作用研究の専門家であるジニー・カワジーに最近聞いたところによると、学習意欲の高い人たちは悪い状況をうまく好転できるそうです。 ジニーは、模擬就職面接の実験を行いました。面接官にはあらかじめ、応募者について否定的な情報を与えます。 志望者は三つのグループに分けます。 第一のグループには、自分がその職にふさわしいことを証明するよう指示します。 第二のグループには、面接官とのやり取りから学ぶよう指示します。 そして、第三のグループには何も伝えません。 第一のグループと第三のグループでは、否定的な見方が増幅されました。 ところが、面接官とのやり取りから何かを学べと指示したグループは、面接官の否定的な見方を覆したのです」

ここで今回の私は、何を述べたいのか?

面接において、単に自分をアピールしようとしている学生よりも、面接で何かを学んでやろう、という姿勢を持った学生の方が、高い評価を受けやすいという事実です。

わかっている人は気付いていますが、面接は絶好の情報収集の場(OB訪問の場、会社訪問の場)なのです。

「面接の最後に何を聞いたらいいかわからない」という学生にときどき出会いますが、本当にその会社に行きたいのであれば、事前に調べた企業情報から、いくらでも訊きたいことは出てくるものです。

十数年前に私が受けた某テレビ局の個人面接では、約30分間ひたすら逆質問をするというものがありました。

そのときは面接官が入ってきていきなり、「なにか訊きたいことはありますか?」という出だしで面接が始まりました。

その人はそのテレビ局のアナウンサーでして、当時は相当の有名な人だったので、私は絶好のチャンスだと思い、これまでテレビ局業界をはじめ、マスコミ全体で気になっていたことを30分間ひたすら訊きまくりました。

そのテレビ局は結局、最終面接で落ちたのですが、就活支援とは全く別の機会でそのアナウンサーの方から面接の意図を伺ったところ、こんなことを言っていました。

「あれは学生がどれだけうちの会社に興味を持っているかを見ているんだよ。面接でいろいろな学生を見てきたけど、本当にうちの会社に来たいと思っている学生は面接中でもたくさん情報収集をしてやろうっていう気持ちで臨んでくるものなんだ」

つまり、面接中でも何かを学ぼうとしている学生は、面接官には非常に志望度が高くて熱意のある学生のように映ります。

これは私も面接官の経験からもわかるのですが、面接中でも何かを学ぼうとしている学生は総じて、その企業について熟知しており、発言の中に企業の方が追加で何か話そう、ともっと良いことを話したくなくような発言をしています。

面接ではただ自分をアピールするだけでは終わらず、少しでもたくさんの情報を仕入れて、面接後には、ひとまわり成長した自分になるようにしましょう。