しくじらないための就活

2021年卒の中小企業の採用活動はどうなるのか?

高田 晃一2018年10月16日09時00分

10月15日付の時事ドットコムニュースより。

2021年卒の就活ルールは政府主導になっても、現状維持の方向で決まるそうです。

3月1日に会社説明会解禁、6月1日に面接開始といった感じです。

経団連の会長の発言から、根底から就活が変わるのか、と思わせました。

しかし、結果は元のとおりです。

残念ですが、仕方ない。

ここで考えるのは、現行の延長線上にある2021年卒の就活で何が起こりそうか?そして、新卒採用担当や就活生の皆様は、どのように行動したら良いのか?ということです。

今回は新卒採用担当、つまりは企業側について述べます。

安倍さんが総理大臣に就任して以降、年々、格差が激しくなっています。

その格差とは何か?

自社に応募する学生の数です。

同じ大手でも、有名な会社とそうでない会社があります。

有名な会社は黙っていても応募者は来ていますね。

特に某航空会社はその人気がさらに増えています。

しかし、ここで論じたいのは、有名ではない大手の会社です。

ここは年々つらい数字を挙げています。

例えば、世界3位で国内1位のシェアを持つ某機械部品メーカー。

この会社は世界3位で国内1位という超大手であります。

しかし、扱っている製品が超ニッチゆえ、世間的な知名度が全くありません。

よって、この会社は2018年卒採用にて15名募集したところ、応募者が18名。

さらには、応募者全員に内定を出した、という超ドンズベリの結果になってしまいました。

大手企業でも、こういうことが普通に起きるのです。

これが中堅企業や小規模の企業になると、もっと大変なことになりますよ。

よって、中堅企業や小規模の企業の採用担当の皆様は、有名な大手企業に負けない独自の採用戦略(戦術)を策定し実行することが求められます。

有名な大手企業に負けない独自の採用戦略(戦術)はいろいろありますが、基本的には、アナログで勝負することです。

有名な大手企業はWEBで完結することが多く、これは大人数に対して有効な方法です。

しかし、中小企業は数十人とか数百人といったそれほどの大人数を求めていません。

数人もしくは十数人でOKなのです。

よって、確実に目の前のひとりの就活生を入社させるために、現場でのマメなコミュニケーションが求められます。

例えば、学校のキャリアセンターや就職担当の先生に訪問し、この方から情報を引き出すとともに、自社の宣伝をする。

ナビサイトに依存せず、合同企業説明会はセミナーに積極的に参加して、目の前の就活生と直接の対話を重ねる。
こういったことです。

有名な大企業は応募者が多すぎるゆえ、目の前の就活生との直接の対話ができる時間がありません。

そこで入社後のミスマッチが起き、辞めてしまう、という事例がたくさんあります。

これが弱点です。

この弱点を突き、目の前の就活生との直接の対話を重ねていけば、就職活動の現場の感覚が掴めて且つ、3年経っても辞めない就活生を採用することができます。

有名な大手ではできないアナログな活動を積極果敢に行うことが、2021年卒はもちろん、2020年卒以降の採用活動に強く求められます。

これは確実です。