合説どっとこむ編集長コラム「就職力は面接力」

就活生はジョブローテーションがお好き

兵頭 秀一2020年03月24日17時30分

社長のある一日のスケジュールの例です。
10時ー11時 営業部の会議に出席(営業)
11時ー12時 商品開発部の会議に出席(商品開発)
13時ー14時 会社移転先候補物件の下見(不動産)
14時ー15時 会計士と打ち合わせ(経理・財務)
15時ー16時 取引銀行支店長来訪(経理・財務)
16時ー17時 採用応募者との面接(人事)
17時ー18時 人事部長と打ち合わせ(人事)

ビジネスは基本的に次の5つの業務で構成されます。

「営業」「商品開発」「経理財務」「人事」「不動産」

この5つすべてのコントロールをするのが社長業です。

本当のジョブローテーションとは次期社長候補にこの5つを経験させることです。社長候補となった役員や創業家の誰かが次期社長候補として入社してきたときに実行されます。

社長候補でない人にこの5つの職種をローテーションすることは生産的ではありません。むしろ一つの職種を極めてもらった方が良いのです。例えば営業一筋でも取締役にはなれます。

新卒採用担当はしばしば「我が社はジョブローテーション制度がありますよ」と就活生の皆さんに訴求します。学生さんはジョブローテーションという言葉が大好きなようで、この言葉にとてもよく食いつきます。でも社長を目指しているという人はほとんどいません。

採用担当もまだ社長にはなっていない人です。だからジョブローテーションの本当の意義を理解していない方が多いと思います。私も企業の採用担当だった時代はそうでした。

中学校で野球部、高校でサッカー部、というキャリアではプロにはなれませんよね。若いうちのジョブローテーションは出世の妨げになることがあります。ジョブローテーションという採用広報用語に簡単に食いつかないよう、注意しましょう。