合説どっとこむ編集長コラム「就職力は面接力」

新型コロナで就職人気業界は激変する

兵頭 秀一2020年04月08日10時03分

会社選びの際には「もし不況になってもこの業界、この会社は大丈夫なのか」ということも考えます。その参考はリーマンショックやバブル崩壊時の教訓でした。ところが新型コロナウィルスによる緊急事態宣言、そしてそれに伴い多くの企業が活動を縮小もしくは一時停止をしているという状況はその教訓を超越したものです。当然、今後の就職観も大きく変化することになります。

緊急事態宣言下で今、社会人の皆さんが置かれている状況は次の4つに分かれています。

1.感染リスクも請け負いながら仕事に行くが減収の不安もある
2.感染リスクも請け負いながら仕事に行くが減収の不安はほとんどない
3.自宅待機で休業して感染リスクは激減するが減収の不安がある
4.自宅待機で休業して感染リスクは激減するし減収の不安もほとんどない

このようなカテゴリーの区分で企業を評価するという、これまでにはなかった就職先評価が今後は注目の対象になるのかもしれません。

「昔と違うからさ、今はコンプライアンスだからさ」というのはよく聞く言葉。平成以降ゼロリスク志向が一層強まった成熟社会の日本。ある性格分析論によると日本人に最も多いタイプは「慎重、堅実、保守的」だそうです。人類史上でも稀有な平和で安全な社会を築いたこの日本という国においてはそれも納得がいくところです。どうしても4番に人気が集中しそうです。

強い責任感を伴いながら1番や2番のようないわゆる社会インフラ的職業に果敢に挑んでいく若者がどれだけいるのかが、その国のモラルの高さを表すとも言えるのですが。

1番や3番に該当する企業は「もし売り上げがゼロになったときに会社は何カ月耐えうるのか」が問われます。これまで就活生が見てこなかったその部分にも焦点が当てられていくでしょう。