合説どっとこむ編集長コラム「就職力は面接力」

君こそスターだ!

兵頭 秀一2017年04月17日17時45分

大卒採用をよく「幹部候補」と表現します。

ですが、例えばその人材が幹部に昇進したとしても結局その役職を担うことができず、降格候補のような状態にあるではしょうがないわけです。

幹部に昇進後さらに活躍する社員。それはその会社における「スター」です。つまり企業は大卒採用に幹部ではなくスターを求めているのです。従って厳密には「スター候補生募集!」なのです。

そこで重要なことは応募するあなたが「その会社(業界)では何歳でどんな状態にあることがスターなのか」を認識していることです。

就活生のほとんどはそれを認識していません。でもスポーツや芸能の世界を志す人はそれをしっかり認識しています。そして「この世界で人生を賭けよう、闘おう」という意識でその世界に飛び込んでいきます。

普通に就活する人のいったい何割が「入社後にこの世界で人生を賭けよう、闘おう!」と思っているでしょうか。おそらく8割以上の就活生の意識は入ることがゴール、いやもっと言えばさっさと就活を終わらせて現在快楽至上主義の日常に戻ることがゴールでしょう。

その責任の一端は会社側の採用広報にもあるかもしれません。ですが就活生の方は人事に質問すればいいだけです。「御社では何歳でどんな状態にあることがスターですか?」と。この質問は前向きさを示すいい質問です。どの企業にも使える質問という点でも便利です。

ところでその場合「当社では25歳で課長になった人がいます」と人事から説明を受ける場合があります。でも実際は10年に一人の逸材が極めて異例の出世をした事例を持ち上げて若手にチャンスを与える会社であるというような、いわば誇大広告は採用の世界にはしばしば存在するので気を付けましょう。スーパースターとスターを混同しないように。

貴方が目指すその会社では何歳でどんな状態にあることがスターなのかを認識した上で「この会社で人生を賭けよう、闘おう」というモチベーションが出来上がった時、初めてあなたの面接力は完成に極めて近い状態となります。

社会問題化している就職のミスマッチ。その原因の一つは幹部候補生という言葉にもあるのだなぁ、ということを最近とても強く感じています。