しくじらないための就活

グループディスカッションや面接で企業からより高い評価を得られる話し方

高田 晃一2019年08月20日08時00分

就活において、特にインターンシップのグループワークや本選考の面接において、建設的でポジティブな意見が言えるということは、上位で内定を獲得することに対して、非常に有効です。

ただ前向きに意見を言えばいいというわけではありません。ポイントはこの「建設的」という単語にあります。

例えばグループディスカッション。

リーダーになった方がいいとか、2・3人話したあとで発言した方がいいなどの憶測が飛び交います。

しかし、実際になろうと思っていたリーダーになれなかったら、どうやって対処するのでしょう。

それではとてもじゃないですが、不安で仕方ないですよね。

こういったグループワークなどでは、この「建設的な意見」が言える人材が面接をポンポンと通過していきます。

さて、この建設的な意見とは、どんな意見なのでしょうか。

建設的な意見では無い意見とは、他の人の提案している意見の悪いところをけなしただけ、文句つけただけで、「では解決のためにはどちらに進めたらよいのか?」という、問題をよりよい解決の方向に近付ける努
力が見られない意見、感情的な反対意見などがこれに相当します。

建設的な意見とは、もし何かに文句をつけたら、それに代わる「代案」を具体的に提示し、あるいは代案のための材料を提示し、議論の方向を指し示すことができている意見。

いかがでしょうか。

建設的という意味が少しわかってきましたでしょうか?

簡潔に言うと「文句があるなら代替案」これが建設的な意見ということです。

実際にグループディスカッションで、建設的な意見を言える人と言えない人を比較してみましょう。

グループディスカッションのお題「どんな人がリーダーにふさわしいと思うか?」

これに対してある人が「具体的な手順を示さず、思いつきで指示を出す人はリーダーにはふさわしくないと思うよ。」と言ったとしましょう。

それを受けて…

【建設的な意見を言えない人①】
「確かに私もそう思います。具体的に指導してくれないとチームとして機能できないし、思いつきで指示なんて出されたら、それこそチームで集まっている理由がないですもんね」

【建設的な意見を言えない人②】
「思いつきで指示を出すということは判断力があるということだから、リーダーとして評価できると私は思います。もちろん、思いついたことのレベルが低かったら困るけどね…」

【建設的な意見を言える人③】
「確かに私も同感です。つまり計画性のある人物ということですよね。事前準備をしっかりできる人材ですよね。でもそれだけだと独りよがりになる可能性があるので、多くの人の意見を受け入れることができるというのも大切な視点ではないでしょうか。多くの人の意見を聞きながら、計画を練り上げていける人物。これって●●さんが思い描いている人物像にかなり近いと私は思うんだけど、どうかな?」

いかがでしょうか?

あなたはグループディスカッションで①や②になっていませんでしたか?

あなたの意見が①や②に近い意見になっている場合は、グループディスカッションはもちろんですが、面接でも前に進むのは、非常に難しいです。

では、具体的に①と②のどこが問題なのかを見ていきましょう。

まずは①。

これは真っ先にグループディスカッションで落とされてしまいます。

その理由は、意見ではなくただの同調で終わっているためです。

別にあっても無くてもよかった発言をしてしまっています。

この発言によって、新しい気付きを誰にも与えることができていませんので、人事はこの発言は評価することができません。

そして②。

これも評価されません。

むしろマイナスです。

なぜなら、反論しかしていないためです。

ただ自分の思っていることを伝えておしまいになっています。

全体に対しての影響力は全くと言ってありません。

自分では「するどいところをついたかも」と思っているかもしれません。

しかし、人事はそんなことは見ていません。

発言による組織への貢献を中心に見ています。

ただ反論を言うのは簡単なことなのです。

ビジネスではその反論を活かしてお金を稼いでいかないといけない実にシビアな世界ですので、この②の発言ではまったく評価されません。

そして建設的な発言である③です。

これくらい建設的な発言ができると通過できます。

まず人の意見に対して、それをもっと分かりやすい言葉で「要約」しています。

「つまり計画性のある人物ということですよね」という部分です。

そしてその意見に対して、さらなる方向性を示しています。

「でもそれだけだと独りよがりになる可能性があるので、多くの人の意見を受け入れることができるというのも大切な視点ではないでしょうか」という部分です。

これによって、人の意見からさらにいい意見を生みだそうとしています。

そしてさらにわかりやすく要約し、みんなに共感してもらいやすい「多くの人の意見を聞きながら、計画を練り上げていける人物」と表現しています。

そして最後に、意見をくれた人に感謝の意もこめて、確認をしてあげています。

「どうかな?」と。

つまり、他人が言った意見をそのまま言ってもダメですし、ただ反論してもダメなのです。

そんな人とは仕事を一緒にしたくないわけです。企業が一緒に仕事がしたいのは、1話したら5とか10とかの“+α”をもたらしてくれる人材なのです。

建設的な意見、これも常に意識して取り組むようにしてください。

これは練習あるのみです