対戦相手は基準かライバルか
兵頭 秀一2023年04月24日17時09分
選考評価の手法は大きく分けて二つあります。相対評価と絶対評価です。
相対評価とは例えば「受験者が100人、合格枠は30人」といったように合格者数が選考前からあらかじめ決まっているようなケースを言います。この場合第30位のレベルが選考を行う側の期待値に不足する場合でも合格となり得ますが31位の人はいい人材でも落とされます。
一方、「受験者が100人、基準点を超えた人は何人でも合格」を絶対評価といいます。絶対評価では極端に言えば全員合格の場合もあれば全員不合格の場合もあります。
私自身が新卒採用の仕事を経験したのは今経営している会社も含めると5社になります。この5社の経験上年間の新卒採用人数がおおむね20人以上のケースでは相対評価で選考を進め、それ以下の場合は絶対評価で採用を行いました。「いい人がいたら採る」という中小企業によくある採用の形が絶対評価です。
就活生の皆さんの多くは絶対評価、相対評価という言葉にもそもそもなじみがなく、それを意識されたことがないのではないでしょうか。そんな中で、どちらかと言えば「こうすれば受かる」みたいに絶対評価想定で就活の対策をしているケースが大半のように見受けられます。
実は大学受験も高校受験も基本的には相対評価です。合格目安の偏差値のようなものがあるので絶対評価と誤解しがちですが。また、企業の人材登用(出世)もそのほとんどは相対評価です。
「基準」と戦うのか「ライバル」と戦うのか、ということです。実際は就活においても出世競争においても対戦相手は「ライバル」なのにもかかわらず「基準」を相手に想定して戦うという間違いを犯している人がとても多いと思います。
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